そもそも調子に乗っていっぺんに二人なら、相手にできるなんて言わなきゃよかったかな。ちなみにアリスは勝手にやれと言って教室に戻った。アリスにも見せ付けてやりたかったけど、こうなってしまったら、結果オーライか。んっこういうのもオーライなのか。
つーか、集中だろぉー俺。
俺はマグマのバリアを作り出す。
ズカンっ
すごい衝撃がバリア越しに俺を貫く。
意識がもっていかれる。
アラミスとポルトスを見るとアラミスが片膝をついている。
なんなんだよ。
俺たちの間に男が立ち、こちらに銃口を向けている。
ぶるっ
百点満点だ。思わず身震いしてしまうくらいに。 男は銃口をこちらに向けたままだ。
二撃目に備えなくては。だけど、うまく集中できず、バリアを保つことができない。
やばいな、これ。
追い込まれた時ほど、頭をフル回転させろ。俺は、それで何回も乗り切ってきた。
また、師匠の言葉が脳裏をよぎる。
考えろ、考えろ、考えろぉー!
ポルトス、休んでる暇はないんだよ。
俺の呼びかけでポルトスの止まった時間が動き出す。アースクウェイクが男に向かって襲いかかる。
雑な攻撃だな、美学のかけらもない。
男は跳躍してそれをかわす。
なんて、跳躍力だよあいつ。だけど、もらうぜぇ!
俺はマグマの波に奴に向けて放つ。
これだけの量放ったら、もう無理、俺倒れるぅー。
かすみゆく視界で、男の動きを追う。マグマは男を捉えている。
先輩を呼び捨てとはサルバトーレ無礼だぞ。しかぁし、私達の連携を真似したな。やってくれる。
マグマが男をのみこむ。 最後まで、敵から視界をそらすな。
今日師匠、俺の脳裏に出すぎですよ。
マグマを突き抜けて、男がこっちに向かってくる。
マジっ!
考えろ、考えろ、考えろ。
閉じてゆく瞳が、俺の人生の幕引きのようで、またどうにもならないのかと思うと、自分人生に嫌気がさす。