美「…みっ…きぃ…?」
ふらつく光希の足。今にも倒れそうな彼女を見て、隣にいた伸昭が立ち上がり肩を支えた。
伸「大丈夫かよ、光希?」
そんな様子を眺めていた慶太郎の眉間に皺が入る
光希はふらふらしながら、慶太郎のそばまでやってきて、彼の方を向いてちょこんと隣に座った。
美拓伸「…?」
慶「…光希?」
慶太郎も光希の方に向き直し顔を覗きこみ目を丸くした。
慶「…!?」
光希が泣いている
美「…みっきー?!」
心配した美弥がそばに寄る。光希は何も言わず、慶太郎の右手をとると両手で優しく包んだ。
光「…ごめんなさ…い…痛かったで…しょ…?…右…て…ごめ…なさ…い」
消えそうな声。その手が震えているのが慶太郎にもよくわかった。
慶「…みつ……きっ!?」
声をかけた瞬間、光希の体が慶太郎に向かってふらっと傾き、慶太郎が慌ててその体を受け止めた。光希が自分の腕の中で、小さく寝息をたてているのが分かると、慶太郎はほっとため息をついた。
慶「寝てる」
拓「はあー…びっくりしたー」
伸「コップ一杯でこんなに酔うもんかねぇ…」
美「………みっきー……よっぽど気にしとってんな」