私の妊娠が発覚してから、わずが一週間後の事だった。
春樹が携帯サイトで浮気をしていた。
【信じてたのに】
ただその気持ちだけが、私の中で膨らみ続けた。
「もう、春樹の子供なんか産まない」
私は想っていない言葉を、ただ口に出しただけだった。
「今は、無理だと思う」
春樹が小さな声で言った。
「だったら最初っから、そう言えば良かったのに」
私は、春樹に優しくそう言った。
この時私には説得すると言う手段もあったかもしれない。
ただ、それだけはしたくなかった。
そこまでしなければ、解ってくれない様な人とは、これから先一緒に居られるはずがない。
次の日から、私はショックのせいなのか、何かする気も起きず、食べれなくなり、泣き続けていた。
春樹が帰って来たら、普通を装う。
春樹の前でご飯を食べないと、春樹が嫌がる。
そう思い込み、悪阻を我慢してなるべく春樹に妊娠している事を感じさせない様に、ただ笑顔を作っていた。
私は、ご飯と味噌汁に大量にお酢を入れた。
それで、なんとか食べる事が出来ていた。
そんな日々が四日経ち、涙も出なくなった頃、私の体重は気付くと、5キロも減っていた。