彼は私の親友の彼の友達だった
「ねぇヒロコ、私気になる人できたんだ…。」
「えっっ!誰??」
「熊崎くん。」
「そっか〜。で、告白するの?」
「いやまだそこまでは…。二年の時一緒のクラスだったとはいえ、話したのって三回くらいだもん…。」
「ならさ、彼氏に言ってもいい?それとな〜く熊崎くんに伝えてもらおうよ!」
「それとなくって?どんなこと?」
「熊崎くんのこと、気になってる子がいるらしいって。」
「私の名前言うの?」
「そりゃ、聞かれたらね。じゃないと言っても意味ないじゃん。名前出したらきっと朋美のこと意識するはずだって!」
「意識ね…私のこと少しでもいいと思ってくれたらの話でしょ。」
「任せといて!」
ヒロコは楽しんでいた。
でも、実はこれが狙いだった。自分から彼に言わずに間接的に言ってもらう。
しかも…好きだと言う言葉は伏せて…
『気になる』程度だったら 振られてもたいして害はない
いや、自分自身には害は大アリだ
彼にとっては『気にされてる』程度だったら断ってもそんなに罪悪感は感じないだろう
あとはヒロコと彼氏がどこまで早く動いてくれるかだ
何て人任せで考えのずるい女なんだろ…
でも仕方ない
これが私のプライドだ
思っていたよりこの計画は早く進んでいった
「朋美!熊崎くんに言ってみたらしいよ!」
それはヒロコに話した次の日だった
「うん…。」
結果は…?彼は何て…?
心臓が一気に活動を早めた