ディフェンド ”海での戦い” 32

 2006-08-23投稿
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 啓吾達を乗せた船は、海の上をはしっていた。船の中では、会話は一切なかった。皆由宇の事が心配なのだ。
 「由宇・・・大丈夫かな・・・」
 膝を抱えながらイスに座っている李那が言った。それを見ていた怜が李那の隣に座って言う。
 「大丈夫だよ。由宇ならきっと無事だよ」 
 怜は、李那の頭に手を乗せる。すると、李那はいきなり泣き出した。
 「泣かないでよ。ね?」
 と、言っても李那の涙は止まらなかった。よっぽど由宇の事が心配らしい。
 「心配するな。由宇なら、源二の所に行ったよ」
 龍華が右手に何かを持って現れた。
 「由宇のブレスレットの反応が消えてる」
 どぅやら、手に持っているのは探知機のようだ。
 「由宇・・・、生きてるの?」
 「あぁ。そぅだ」
 その言葉を聞いて、ホッとした李那の目からは、もぅ涙は流れてこなかった。
 「よかった・・・」
 李那は、小さい声で呟いた。
 「!」
 啓吾は、海を見る。すると、船の下に大きな影があるのに気づいた。
 「何かくるぞ!」
 と、啓吾が言ったとたん船の前に大きなサメが現れた。藻は驚いて船を止めてしまった。そのサメは、口を開けて船を飲み込もうとしている。
 「飲み込まれるっ!!」
 すると、凛は船の先端に立ち、両手を前につきだす。すると、サメの口より大きい水の壁が出来た。その壁にサメはぶつかり、再び水の中にもぐった。
 「凛・・・。ありがとう」
 「よかったです。役に立てて」
 凛は、ニコッと笑って言う。
 「へぇ・・・、それがアンタの能力?」
 「!」
 すると、今度は海の中から女の人が出てきた。
 「アタシの名前は瑠理(りゅうり)。あんた達を殺しに来たよ」
 と、言ったときの瑠理の目つきに全員が凍りついた。そのとき、凛が船を下りて海の上に立った。
 「私が・・・行きます」
 さっきの目つきの影響なのか、凛の足は震えていた。
 「藻。船を動かせ」
 と、龍華が言う。
 「えっ、ちょっと待っ・・・」
 怜の話など聞かず藻は船を走らせた。それに気がついた瑠理は、さっきのサメに船を追わせようとした。

 バッシャ―――ン\r

 凛の放った水の塊がサメに命中した。凛は瑠理を睨んで言う。
 「誰が、追ってもいい。と、言ったの?」
 その言葉を聞いた瑠理はにっと笑う。

 凛VS瑠理
       戦闘開始!!



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