見上げた空は、青かった。
「快晴だなぁ」と、芝生の上で目覚めた男は言った。
この男は、産業スパイ。
ここで目覚める前に、売れそうな研究をしていた博士の研究所に、入り込み、捕まってしまった。
頑強な男達に、拷問されても、男は身元を明かさ無かった。
困り果てた博士は、又来られては迷惑とばかり、男を装置に入れてしまったのだ。
「博士!俺をどうしようというんだい。」
「これは、テレポテーションマシンだよ、二度と帰って来れない様に、お前を他の星に飛ばしてやるのさ。」
男は哀願したが、スイッチは押されたのだった。
画して、男は快晴な空を見上げていたが。
「嘘つき博士め、地球そのものじゃないか」
男は、街を目指して歩き出したが、何時までも、快晴の空の下、芝生の上を何日も歩いたのだった。
男が、良く快晴の空を見ると、その奥に見慣れぬ巨人が、覗いている。
「しまった、ここは、何処かの星の中の観察用ドームみたいな物の中だな。」
男が気付いた時に、快晴の空から、とてつもない大きな手が降りて来たのだった。