祭に騒ぐ群の中
朱く艶やかな林檎飴
1つ頂戴
期間限定の夏の味
惚れてしまったの
恐ろしく甘美な極彩色
来年も買ってやる
次の夏もその次も
ずっと俺の傍に居ろ
横顔で囁く君は
とても愛おしくて
暗闇紛れて歩く
不定期に上がる花火が
貴方の背中照らしてる
勿体なくて
食べられなかった林檎飴
蒸し暑さに
熔けてしまいそう
繋いだ手が熱いのに
この手を離したくない
私から林檎飴を奪って
はしゃいでいる
私の隣の貴方だけを
白い車体が拐っていった
季節外れの林檎飴
艶やかな裸体が
あの日の貴方を映してる