今まで、ろくに恋愛もせず家事をこなし会社でも真面目に仕事をして来た。
化粧もオシャレも趣味もしないで頑張って来たのだ。
嘉源は仕事中の事故で右手と右足を悪くしていた。
そんな嘉源の面倒も、よく看てくれた。
香 には母親を亡くしてから本当に苦労を掛けた。
色んな事も我慢させた、せめて、この恋だけは実らせてやりたいと思った。
徹「なに!?帰るだと、せっかく来た旅行なんだぞ!」
真理「こんな旅館に泊まりたくないの!」
徹と真理は激しく口論していた。
暫く言い争ったあと二人は黙りこんだ。
その沈黙を先に破ったのは徹だった。
徹「分かった。この旅館を出よう。だけど帰るな。違う旅館かホテルに行こう。」
徹は穏やかに言った。
真理「本当?」
真理は戸惑いもあったが嬉しそうに微笑んで徹に抱きついた。
徹は真理を抱きしめながら激しいキスをした。
二人は帰り支度をして阿歩屋旅館を出た。
それに慌てたのが望代だった。
少しやり過ぎたと反省したが、もう遅い。
望代は二人の後を追ったが、姿は見当たらなかった。
馬鹿温泉街の少し外れに近代的なホテルが建っていた。
徹と真理は、その近代的なホテル「、募露屋(ボロヤ)」にチェックインした。
徹は最上階の最高級のスイートルームを取った。
徹と真理は部屋に入ると激しいキスをした。
二人に言葉は要らなかった。
徹「真理、結婚しよう。」
真理「えっ!?」
徹「妻とは別れる。だから結婚しよう。君も離婚して欲しい。マンションを借りておくから、そこで暫く暮らしてくれ。君が離婚して半年後に俺も離婚するから。そしたら結婚しよう。」
真理「うん…。」
真理は恥ずかしそうに頷いて、それから二人はベッドに倒れ込んだ。
つづく