――翌日
「みっきー!!どっどっか、寄って行かへん?!」
放課後、突然光希の前に勢いよくやって来た拓朗。光希はもちろん、側にいた猛と波音も驚いてた。慶太郎はその様子をちら見しただけで何も言わなかった。
拓「…」
光「…」
学校近くのデパート。放課後は学生の溜り場になっている。二人は黙ったまま行くあてもなく歩いていた。
突然光希が足をとめた。光希の視線の先にはゲームセンターがあった。
拓「あれ、欲しいん?」
クレーンゲームの中のぬいぐるみを指差し尋ねた。
光「え、いや…別に…」
歩き出そうとする光希を呼び止め、拓朗は笑って言った。
拓「やってみようや!」
***
拓「あーまたや」
光「じゃあ次うちやる!」
何回挑戦しただろう。そしてついに…
拓「あ…」
光「やっ…」
拓光「やったあ!!!」
ぬいぐるみを取り上げ、光希が嬉しそうに笑う
拓「ぬいぐるみ好きなん?」
再び歩き出しながら意外そうに尋ねた
光「好き…っていうか、あっちに居た時によくもらってたから…」
拓「あっちって、外国?」
光「うん」
拓「友達に?」
光「ううん…あっちじゃ友達なんか出来なかったから…」
拓「…?」