チンゲンサイ。<37>

麻呂  2010-04-13投稿
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* * * * * *

タクシーで家の前に着くと、ユキエが玄関先で出迎えてくれ、


俺とユウの腫れた顔を見ると、驚いた様子だったが、


何も聞かずに、黙って傷の手当てをしてくれた。



『ぷっ‥‥‥。

2人揃って顔腫らして‥‥‥‥。』


先に俺よりひどい、ユウの顔の傷の手当てをしながら、ユキエが言った。


消毒液が傷口にしみるのか、しかめっ面をしているユウに、

ユキエが優しく手当てをしている。


さっき、ユキエに向かって、水の入ったコップを投げつけ、

テーブルの上のカレーを床にぶちまけた事を反省しているのか、


ユウは、その間、ずっとうつむいたまま無言だった。



『ユキエ。

明日、パートを少し遅れて出勤してくれないか?

付き合ってもらいたい場所がある。

それと、ユウは学校を休ませるからな。』



『‥‥付き合ってもらいたい場所‥‥‥???』



俺の言葉に、ユキエは何かを考えている様に見えたが、


もしかしたら、俺の考えを察したのか、

意外にも、すぐに了解してくれたので助かった。



『ユウ。母さんに何か言う事は無いか!?』



すでに俺は、ユウとラーメン屋での話し合いで和解していたはずだが、


さっきのユウの、ユキエに対しての態度が父親として許せなかった俺は、


自分の母親に対して吐いた暴言について反省させ、謝らせる事にした。



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