突然の父親の話しに、マサトは驚いた。また怒りもわいてきた。
「…それだけ?どうでもいいよ。じゃあねるね。」そういって寝室に向かった。
「ワタルが大変なことになってるのに…。考えてよ!」そのままマサトは寝てしまった。その夜不思議な夢をみた。暗闇の中少女が泣いているのだ。
「大丈夫?」
「…もうすぐ会えるよ。…待ってるから。…助けに来てね…。約束…よ。」
そういうとすーっと消えた。
マサトは朝起きたら、憲二はいなかった。たぶん仕事なのだろう。今日はたまたま学校が休みなので神社にワタルのためにお参りしに行こうと思った。歩いて十分ぐらいで神社に着いた昼前で明るいのだが境内は暗く、うすきみわるかった。
「お賽銭ふんぱつするか…。」と言って百円を入れた。
「…ようやく来たか。勇者よ。」そういう風に老人の声が聞こえた。