――『秋奈ってかわいいやんな』
『うん。いい子やし。でも、なんかねー』
『わかる。なんか、かわいいから見下されてる感じ。』
『でも、秋奈がいるとうちらのグループの格があがるっていうか』
『そうそう!飾りやんな』――
聞いてしまった友達の会話。
誰も私がどんな人間かなんて気にしてない。
かわいくて、文句もいわない“いい子”の私は一緒にいるには便利な人間。
こんな友達関係、続くわけもなく、深い付き合いもできない。
でも、別にいい。
表面上の付き合いほど、楽なもんはない。面倒な“他人”の問題に巻き込まれなくていいし、そんな時はただ、愚痴さえ聞いてればいい。
誰かのためになんかしようなんて思わない。
そんなことしなくたって、笑顔でいっつもうなずいていれば、友達はできるし、いじめられることはない。
でも、ここにいる“みんな”は違ってた。
『うちはその子の友達や!友達助けてなんか文句ある!?』
そういって助けてくれた光希。
あの時ほど嬉しかったことなんてなかった