alone 50=少年の最期=

兼古 朝知  2010-04-15投稿
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(教祖…。我らが神の教祖…よ)

圭は、最後の力を振り絞って鎌を振るった。

(俺は お前を信仰したことは…ない)

皆神の兵は、情に流されそうになったが、負けるわけにもいかない。
各々の銃器を持ち、応戦する。

(ましてや お前に仕えた覚えも…ない…)

圭は、背に銃弾と 腹に矢を受けるが、怯まない。
右目の辺りを斬りつけられ、圭は片目だけになるが、それさえ気にしない。

(俺が仕えていたの…は)

後方から膝を撃ち抜かれ、とうとう圭は倒れ込んだ。
立ち上がる気力と体力は皆無に等しい。

「圭。最期に…言う事はねぇのか?」

晶が圭の前に立った。
圭は ゆっくりと視線を上げた。その目は一片の曇りも無かった。

(はじめから何も変わってなど…いない…)

「俺は水鶴様に仕えてい…る。…水鶴様以外の人間に残す言葉など…何も…無い…」

圭は微笑して言った。



(そう…だ。

俺は、俺は……

水鶴様の従者…だ。

中村理一…俺は…

お前の為に
とった行動など…

ひとつも ない…

水鶴様が無事なら俺は…

己の死などどうでもいい

どう でもいい ん だ…)


――バサッ!!!!



涙を流しながら
震える晶によって…。
圭の首が

斬り落とされた。



そして物語は今一度…
些か過去に戻る。


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