スカバンburn!!最終章 -66- 大好きな曲

きゃしー  2010-04-17投稿
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空っぽの客席。静かなステージに灯されたライト。ホール内に響く4人の足音。

光希達は先ほど客席から観ていたステージに足を踏み入れた。

慶「…うわあ…こんなでかいとこで叫んだら気持ちいいやろな…」

慶太郎が上を見上げ呟く。

黒「はっはっは。やってみるかい?」

慶「んー、今はまだやめておきます」

黒「“まだ”?」

ステージの真ん中でライトの光を浴びるグランドピアノ。そこまで歩いてくると光希が不安げに訊いた

光「本当にこんなところで?」

黒「ああ。何でもいい。好きな曲を」

光「…」

黒田が椅子を引き、光希を促す。

慶「…俺、客席で聴いててもいいですか?」

竹「ええ、どうぞ」

慶太郎はステージからおりると中央まで歩いていき客席の間に立った

光「…好きな曲……」


右を向くと客席の中央で、立ったままステージを眺める慶太郎が目に入った。


そして、もう一度ピアノに向きなおり、光希は考える


――好きな曲…そうや、ずっと…小さいときから大好きだった曲――


鍵盤に手を置く。
呼吸さえも“音”に聞こえる

光希は大きく息を吸い込む。


光希の指先とともに、ピアノは歌い始めた


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