夢のあと 1/5

萩原実衣  2010-04-17投稿
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何気ない毎日に少し、麻痺している。
感情も表情もまるでロウ人形みたいなんだろうな…。
でも、一瞬で変わった。
ロウ人形のような心が…溶けていった。

「うっうん…?」
ふと、目が覚めた。

そうだ、またやってしまった。

昨日、呑んでそのままここに来たんだったっけ。彼はまだ寝ている。

彼の名前は…確か…
修也だったかな…?
昨日、知り合ったばかりで…それくらいしかしらない。

私は、神楽 生来
 (かぐら せいら)
今年、38歳になってしまった。
俗にいう…アラ40。
仕事は、化粧品開発部の主任。
それなりに人生重ねてきたが、独身。

また…やってしまったというのは…。
知り合ったばかりの男とモーニングホテルだ。

「う〜ん。あっ、おはよう。」
彼が目を覚ました。
「おはよう。どうする?帰る?ブランチする?」

「あぁ…帰るわ。でも、まだ、時間大丈夫だからさぁ。ねぇ〜?」

「シャワー浴びてくる」
彼は迫ったが…私にはその気がなかった。

いつもの、ワンナイトラブだ。
感情入れた付き合いなんて面倒臭い。

「じゃあね」
私は、ホテルを出て、スポーツクラブに直行した。
汗を流すと、昨日からの全てを流せる気がするからだ。
そんな週末をここ数年過ごしている。

そろそろ…飽きた。

まぁ、ありがたい事に男がきれずに寄ってきてくれる事だ。
『いい女』と言う言葉に何も感じなくなってきている。

ある日、会社の部の女のコ達と呑む事になった。勿論、私払い。
居酒屋で…愚痴から恋話まで、実に口が止まらないイキイキとしている。彼女たちを羨ましくもあり、うざったくもあった。

これでも、人望はあって、理想的上司らしい。
独身でいる事がまた、彼女たちにすれば、カリスマ性をうんでしまっている。

「神楽主任。このあと時間大丈夫ですか?」

「あぁ、明日、休みだし。特に予定も入ってないから…。」

「じゃあぁ。一緒にクラブ行きません?」
「あっ、うん。」

最近、そんな派手な場に行っていなかったから、丁度良い誘いだった。

着いたクラブは、ただのクラブではなかった。
『ホストクラブ』だった。
「えっ!…」

女のコ達に引っ張られ、勢いで入ってしまった。「いらっしゃいませ!!4名様おこしです」

若い男性の香水が舞い上がる店内。
ホスト…何だかみんな同じ顔に見えた。

ただ一人を除いて…。

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