現場に入るとそこにはまだ真新しい血痕が路上に残っていた。
その血の上から死体があった後を残すためのテープが張ってあった。資料にあった通り死体は固まって放置されていたみたいだ。現場の路地裏は想像していたのよりも広く幅は八mくらいはあるだろう。
なぜ、被害者四人はこんな人気のない場所に来たのだろうか?
「イタッ」
そう思っていると先輩が僕の頭を叩いた。僕が頭を押さえて先輩を見ると先輩は手袋をした手を僕に見せた。そうだ!現場ではいつも手袋をしなければいけない。僕は慌てて手袋を取り出そうとしたが一枚地面に落してしまった。すぐに拾おうとした時だった。
「(あれ?)」
地面に奇妙なものを発見した。僕はその事をすぐに先輩に話そうとしたときだった。
PLUUUUUと、先輩の携帯電話が鳴った。先輩は少し離れたところまで行って会話をしたせいで言いそびれてしまった。離れてしまったのでなんて会話をしているのか分からないが先輩の表情を見る限り少し驚いているのがわかった。すぐに電話は終わったみたいでこっちに戻ってきた先輩は
「杉本、新しい情報だ。青山雪野に共犯者がいることがわかった」
「共犯者ですか!?」
先輩が驚いた理由がわかった。しかし、現場にあった生徒手帳は青山雪野一つしかないし、それに彼女は昨日誰とも事件前後に会っていないと聞いていたが、その疑問には先輩はすぐに答えてくれた。
「事件とは関係ないのだが、青山雪野が犯罪者と、知ってて一緒に逃亡した生徒がいるらしい。名前は鏡京都。そいつも一緒に逃亡して現在どこにいるのか分からないみたいだ」
先輩は答えながら携帯に送られた男子生徒の顔写真を僕に見せてくれた。
「いまどきそんな勇気のある子がいるんですね」
と、僕は何気なく空を見上げた。と、いってもここは繁華街………見上げてもビルが立ち並んでるだけだ。僕がそのビルを見上げた時だった
「(えっ!?)」
僕は自分の目を疑った。僕の目に映ったものはなんと……
「(鏡………京都!?)」