少ない時間で
私は幾つもの願いを唱える
迷うことなく
眠る前の暗闇の中で
来る晩も
来る晩も
押し殺していた自我を
解き放つように
願い続ける
闇に溶けた私の身体は
自分でも
闇(そこ)にいるのかわからなくなる
思考は揺れる雪のように
ふわふわと
黒の中で一つだけ白く
止め処なく溢れる涙に
存在だけを感じていた
少ない時間を
少しでも多く齧るように
私は幾つもの願いを
闇の中で唱える
囚われた呪文の様に
唱え続ける