罪ブカキモノ?

白山こっこ  2006-08-24投稿
閲覧数[641] 良い投票[0] 悪い投票[0]

そんな私の考えにナナカは消極的で、
「だから、人を金ヅルとしか思えないような人はそれがお似合いでしょ?」
と、笑いを含みながら言う。そう言われるとなぜか私のからだは勝手に動いていた。彼女の肩を掴む。
「まさか…
三人を殺したのって、
貴女…?」
その問いに驚き、ナナカは言った。
「何言ってるの?私にそんな化け物みたいなこと出来る訳無いじゃない…」
それをもっともだ、と思い私は、そうね、どうかしてた、と肩から手を放した。
「それより、友達が出来たんでしょ?おめでとう!」
「ありがとう。これもナナカのお陰だよ」
と気まずい雰囲気を取り払ってくれたナナカにお礼を言う。
「これからは存分にみんなと遊べるね!でも…私のことも、忘れちゃだめよ?苦しかったら何時でも私のところに来てね」
とナナカは言う。
「当たり前じゃない。恩人を忘れるなんて」
私は笑顔で言った。するとナナカは、落ち着いたなら今日はもう帰りなさい、と言う。確かに連続で三日遊ぶのはまずいだろう。言われたとおり帰った。
その日からは私の生活は天国のようだった。たくさんの友達と遊んで、買い物にいったりする。自分が変わるだけで環境もとても変わるのだな、と思った。
しかし、天国も束の間。
私が急に明るくなったのを良く思わない人がいた。
それは、死んだ三人の友達。
彼女達は私に嫌がらせをしてくるようになった。もちろん犯人は一瞬でわかったが、どうにも言い出せない。靴紐とかトイレとか、良くあることは徹底的にされた。だが、私が苦しかったのはそんなことではない。彼女達の命令で、私の友達が私を無視するようになったのだ。折角手に入れた友達が第三者の手によって、遠ざけられた。
苦しくなり、
悲しくなり、
寂しくなり、
私はナナカの元へ向かう。気がついたらそうしていた。
しかし、
その場所には、
ナナカはいない。
家もない。
不思議に思ったが、そこは空き地。住所もあっている。なんとなくその空き地に入ると、アンティークだという鏡が置いてあった。その鏡に近付くと、気配を感じる。
「…ナナカ?」
というと、その鏡に映った私の後ろに、彼女はいた。
「ふふ…
苦しい?悲しい?寂しい?あのね、貴女、みんな消えてしまえば良いのにって思ったことない?」
「…」
ある。この子に会う前だ。
「消えるという事はそんな状態よ?」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 白山こっこ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ