慧の寝顔は、綺麗だった。
私は、わがまま30分ほど彼の側にいた。
私は、恋をしたコイツが18歳である事に戸惑った。でも、誰にも言わなきゃ分からない事だ。
私、彼に上着をかけ、帰る事にした。
「店員さん、彼あと30分あのままにいさせてあげてださい」
「わかりました。」
私は、メモを残してカフェを出た。
とりあえず、店に行かなければ逢う事がない。
そのうちに忘れられるだろう。
だって、馬鹿げてる。
よりによって20歳も下なんて。
忘れてしまいたい。
私は、またワンナイトラブの生活に戻った。
他の男に抱かれても、慧の顔が浮かぶ。
あれから…2週間経った。
新しく開発した化粧品が製品化される事になり、後輩たちと近くの居酒屋で打ち上げをすることになった。
「神楽主任。良かったですねぇ。まさか、製品化までこんなに早くたどり着くとは、思いませんでしたよ」
「みんな、残業してがんばってくれたからだょ。ありがとう。そんで、お疲れさ〜ん!」
久しぶりに気持ちの良いお酒だ。
二次会は、カラオケに行く事になった。
今日は、とことんこの子達に付き合う。
三次会。後輩のみかと二人でBarに行った。
みかが相談があるという。
「主任…。私好きな人が出来たんです。でも…。 」
みかの好きな相手は、あのホストクラブのホストだった。
みかは、逢いたくて、そこそこの給料を注ぎ込んでしまったらしい。
「みか…。あそこは、金で男の時間を買っているだけだよ。みかが惚れる気持ちがホストの仕事なんだ。借金は、ダメだょ」
「でも…。逢いたいの…」
「みかは、良い女だ。だから…自分の収入に合わせて行けば良いんじゃない?
みか…。男に惚れさせる女になれ。」
みかは、泣きながらも凛とした目をしていたので私は、大丈夫だと確信した。
人には、何とでも言える。
そう…みかに言った言葉は、自分に向けて言っていたのもでもあった。
もし、またあのホストクラブに行く事があっても私は、凛としていたい。
みかが帰ったあと私は、そのBarに残った。
「いらっしゃいませ」
「私、キール。この子呑めないから、グレープフルーツジュースね…」
勢いよく入ってきた女の隣にいた彼は…じっとこっちを見ていた。
私も視線を外せなかった。
私の心の奥が熱くなっているのがわかった。
なんで…。
その彼…。
慧だった。