茜色に染まった空の下、誰もいない橋の下にいた。
車が橋を通りすぎるたびに、耳に轟音が入る。
「くっくく、さっきのバカ面はまさにツボよ。
危なかった〜、人前で笑う所だったわ」
ここは、私が唯一素の姿を表せる場所。だれも、いないし。
音がうるさいから周りに音が漏れない。
まさに、最高の場所。
「あ〜、笑った」
手を上げ、背を伸ばした時、後ろから声が聞こえた。
「唯様って〜、猫かぶってたんだ〜」
振り返ると、そこに金髪ピアスの高校生がいた。
征服を見る限り、内の学生。
嫌な所を見られたわ・・・
「美しい顔に出てますよ〜嫌な所を見られたわ・・・って」
人を舐めてる口調で、私の心の内を読んでくる。
まさに最悪な状況に、私は冷や汗をかく。