「みッ…水鶴!?」
晶が仰天して見下ろすと…。
――ザザッ!! ズダッ!!
水鶴は、塔の隣の電波塔に手をかけながら、滑り落ちるようにして着地した。
「夕!!どっちだ!?」
下から水鶴が呼びかける。
「門を出て左よ!って言うか、待ちなさいよ!!」
晶と夕は、慌てて梯子を降りていった。
残された教祖は、そんな晶たちを見て呟いた。
「無邪気な子供に つらいことはさせるものではないな…。なぁ、理一」
教祖は振り向き、理一の死体を見つめる。
「今でも お前と親友と思っている私は愚かか?
…いつから、戦いを好みはじめたんだ…?
お前は『はじめからだ』と言うのだろうな…」
理一と皆神宗教祖は旧知の仲で、幼い頃は仲が良かった。
だがそれは これからもずっと、誰にも知られることの無い真実――。