翼「…ぅ…何で…み…んな…」
美「…翼」
歯を食いしばる翼。そんな翼を心配そうに見つめる美弥。
拓朗も猛も落ち着いた表情で黙っており、一方秋奈は隣でぼろぼろ涙を流している波音を気遣いながら、自分は涙を堪えている。
慶太郎は相変わらず他人であるかのように黙ったまま、時折うつ向いたままの光希に目を向けた。
聖「…翼…人間はずっと同じ場所にはおられへん。誰かや何かと別れたり、捨てたり…そうやって進むんや。」
翼「……」
聖「皆も俺も、音楽が好きで、楽器もこのバンドもメンバーもぜーんぶ大好きや。ずっとこのメンバーでずっと同じようにやっていたい。」
光「……」
聖「でも、ずっとここにはおられへん。…だから…」
翼「……くっ…!」
ますます歯に力が入る翼。
そんな翼にかまわず、聖二は声に力をこめ言った
聖「“ザ・ブルービート”は、全国大会終了と同時に
“解散”しよう!!!」