地下室を出ると僕は、もう一カ所行くところを目指した。
琴葉
「今度はどこに行くの?」
達也
「死体を確かめに行く」
ヒビキ
『ええっ……!』
ヒビキと琴葉は、お互い顔を見合わせた。
なぜ、今になって死体を確かめるんだろう?
そうしてるうちに死体を保管している物置へとやってきた。
僕は、手前に置かれている死体を見た。
どうやらこれは佐賀さんの死体みたいだ。
達也
「ねぇ、琴葉。
佐賀さんに何か特徴ってなかった?なんでもいいんだけど」
琴葉
「そう言われても……。
私、佐賀さんと会うの今日が初めてだし……ってなんでそんなこと聞くの?」
達也
「後で説明するよ」
そう言うと達也は姫野の死体を見た。
達也
(姫野さんにも、これといった特徴がない……。
やっぱり僕の思い過ごすなのかな?)
ヒビキ
『あれ?おかしいな……』
僕がそう思ったとき横からヒビキが呟いた。
琴葉
「どうしたの?ヒビキさん?」
ヒビキ
『いや……夕食のとき姫野さんの腕にあざがあったんだけど今は……ないの』
達也
「それ、本当!?ヒビキ!」
ヒビキ
『う、うん……本当だよ』
そのことを聞いた瞬間、僕が頭に考えていたことが一つに纏まった。
琴葉
「達也さん……?」
達也
「ヒビキ、琴葉……今から言うことは誰にも言わないでくれるかな?」
二人ともわけがわからずに達也の方を見た。
達也
「この死体、佐賀さんと姫野さんじゃない」
ヒビキ
『!!』
琴葉
「どういうこと!!」
達也
「つまり佐賀さんと姫野さんは死んでいない。
今もどこかで生きていて、僕たちを監視している」
琴葉
「監視って……なんで?」
僕は頭で考えていたことを二人に明かした。
達也
「あの二人……佐賀さんと姫野さんは裏切り者だ」