京都はそう言ってまた立ち上がろうとする
「うんそうだね………ってちょっと待て!」
あたかも自分が決めたように言わされて京都の後を追おうとした瞬間に我に返り慌ててノリツッコミを入れた。
京都の誘導尋問に流されかけて慌てて京都を止める。
「なんで?今自分でも言ったじゃないか?」
京都は悪気もなく笑みをこぼして聞くと
「あなたが誘導尋問したんでしょうが!」
雪野は悪気もなくサラリと言う京都に少し腹を立てて答えた。雪野もそうだが京都も中々の曲者……というか扱いづらい性格だ。京都の態度にすっかりご立腹の雪野に対し京都は急に真面目な顔をしてきた。
「けど、僕らの力だけではいつか捕まってしまう。それまでに生徒手帳以上の証拠を掴まないと僕らの有罪でこの事件は終わってしまう。指名手配になった時点でタイムリミットは決まった。僕らではせいぜい逃げ切れて二日か三日が限界なのが現実だよ。まぁ負けを認めて遠くへ逃げるんだったらまだ当分は逃げれるけどね」
京都は雪野を説得するように説明した。確かに現状は雪野たちが圧倒的に不利だ。このままでは捕まるのは時間の問題。それに警察はなぜか指名手配させてまで雪野を早く捕まえたいと思っている。そこの謎が解明できればこの事件は早く解決できそうな気がする。そんな事を雪野は頭の中で考えると
「そっそうね……なんだがいいように丸め込められた気がするけど、行きましょう!」
雪野は決意と言うより腹をくくったように立ち上がった。
京都達は人目を気にしながら事件現場に向かった。最新の情報を携帯から見ながら動きたかったが先ほどのファーストフードに居た時に京都も共犯と警察にばれたので京都の身辺も洗いざらい調べられているだろうと予想した京都と雪野は資料のデータだけをminiSDカードに保存して携帯は捨てることにした。
優には悪いと思ったがこれも逃げ切るためだ。それに一応悪用されないようにと京都が足でバキバキに踏み砕いた。まぁ今頃京都達の携帯電話も同じような目に遭っているのだが………二人に知る由もない。
しかし、携帯電話を壊したことによって彼らはリアルタイムの情報を得ることができなくなった。