『綾瀬くん、好きです』
『初対面なのに生意気』
さよなら。私の初恋…
『恋那…？急に何い…』『なっ、なんでもない』焦りながら私は…
美那の言葉を無視し、
その場を立ち去った。
だって、だってさ？
フラれたら嫌じゃん？
周りが怖い敵みたいで
でも、一目惚れなら
泣かないはずじゃん？
私のバカ。大っ嫌い…
『帰りたいよ…家に。
……。帰ろっかな…』
今の私は早く学校から
脱出したかった…。
『う。校門閉まってる』
閉まってて当然だが。
『行くしか…よっ！
もう少しで越えら…』
『危ない…っ！！』
『え―…？だ…れ？』
「ﾄﾞｻｯ！！」
『ほんと、バカだな…』
私を助けてくれたのは
私が告白したあいつ。
会いたくなかったのに
意外な所で会うなんて
『バカにしないで…』
『告ったくせに…(笑)』
綾瀬時雨は…笑いを
こらえながら、
私にそう言った。
あんたこそ生意気よ…
『あれはぁ…嘘よ！！』
確かに好きで告った。
でもね…今はあんたが
大っ嫌いなのよ！！
『はやくおろしなさ…』
『おまえ…唇に傷。』
綾瀬は急にそんな事を
言ってきた。触るな！
『触らないでよっ！？』
『血が出てる…』
何よ！？綾瀬…ｶｧ
せめてこないで…！！
『舐めてやるから。』
『！？何よっ！やめ…』
何コイツ！？私の唇を
奪う気ねっ…！！
『あんた…私だけに
するなんて…。すっ、
好きな人いないわけ？』
『気になってる人なら』
『！？私帰りたいの！
だから、離してよっ』
『バーカ。誰が離すか』
あいつは無邪気な
笑顔で私に言った。
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