さよならを告げた後で

萩原実衣  2010-04-29投稿
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さよなら。
まともに伝えた事が今まであっただろうか…。
いや…ない。

大抵、別れ際は…

「またね。」

次に逢えるかもしれない少しの期待と、自分から『さよなら』を告げたくないズルさが…
「またね」

痛みを知ってしまうとその痛みを味わいたくないものだ。

好きな人といる時間は、なんでこんなにも早く感じるのだろうか…。
たぶん…

別れる時間が来るのが怖くて、心を詰め込んでいるからではないかな…?

独りになっても、あなたとの夢を見てしまう。
そう…
夢をみた瞬間から私達の時間は、動き出していた。
『人』が『夢』を見た時、『儚い』ものになっていく…。
それならば、ちゃんと向き合おうって決めた。

どんな痛みも…。
どんな苦しみも…。
ちゃんと刻もうと決めた。
あなたとの時間が儚き夢にならないように。
あなたは、どうだろうか??

何を考えているの?

横顔を見ると何時も思っていた。
知らなかったでしょ?
あなたの答えは…?


「別に…」

別にって…。


他の女の事…。
仕事の事…。
本当に何にも考えてないのか…。

こんな不安を抱き始めてから、やっぱり、あなたは、少しずつ心も距離も離れちゃったね。

だから…

昨日私は、「さよなら」を告げた。

さよならを告げた後で…

涙しか流れない。
言いたくなかった。
周りは、
「カッコイイじゃん。」
なんて言うけど…。


カッコ悪い。
心の中は、後悔や自分責め、わがままの渦だ。

自分を受け止める重さを知った。

一日しか経っていないのに、もう…あなたに電話したくてしょうがない。

明日も明後日も、そうなんだろうな…。
「他にいい男なんてたくさんいるからさっ!」

友達の言葉が信じられない。

酒で感情を狂わす日々。

さよならを告げた後で…
1ヶ月後…
彼からの電話。
わたしも、電話番号を消せなかった。

「元気にしてる?」

それだけ??

期待は外れ、私は、前を向かざる得なかった。

さよならを告げた後で…酒を浴びる私、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。

私には新しい…
時間が始まった。

そして…

また新たに来るかも知れない『さよなら』

逃げない。

前を向けば怖くない。
私は…
『ありがとう。』

この言葉を大切にして行こう。

あなたに逢えて良かった。

「ありがとう」



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