さよなら。
まともに伝えた事が今まであっただろうか…。
いや…ない。
大抵、別れ際は…
「またね。」
次に逢えるかもしれない少しの期待と、自分から『さよなら』を告げたくないズルさが…
「またね」
痛みを知ってしまうとその痛みを味わいたくないものだ。
好きな人といる時間は、なんでこんなにも早く感じるのだろうか…。
たぶん…
別れる時間が来るのが怖くて、心を詰め込んでいるからではないかな…?
独りになっても、あなたとの夢を見てしまう。
そう…
夢をみた瞬間から私達の時間は、動き出していた。
『人』が『夢』を見た時、『儚い』ものになっていく…。
それならば、ちゃんと向き合おうって決めた。
どんな痛みも…。
どんな苦しみも…。
ちゃんと刻もうと決めた。
あなたとの時間が儚き夢にならないように。
あなたは、どうだろうか??
何を考えているの?
横顔を見ると何時も思っていた。
知らなかったでしょ?
あなたの答えは…?
「別に…」
別にって…。
他の女の事…。
仕事の事…。
本当に何にも考えてないのか…。
こんな不安を抱き始めてから、やっぱり、あなたは、少しずつ心も距離も離れちゃったね。
だから…
昨日私は、「さよなら」を告げた。
さよならを告げた後で…
涙しか流れない。
言いたくなかった。
周りは、
「カッコイイじゃん。」
なんて言うけど…。
カッコ悪い。
心の中は、後悔や自分責め、わがままの渦だ。
自分を受け止める重さを知った。
一日しか経っていないのに、もう…あなたに電話したくてしょうがない。
明日も明後日も、そうなんだろうな…。
「他にいい男なんてたくさんいるからさっ!」
友達の言葉が信じられない。
酒で感情を狂わす日々。
さよならを告げた後で…
1ヶ月後…
彼からの電話。
わたしも、電話番号を消せなかった。
「元気にしてる?」
それだけ??
期待は外れ、私は、前を向かざる得なかった。
さよならを告げた後で…酒を浴びる私、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。
私には新しい…
時間が始まった。
そして…
また新たに来るかも知れない『さよなら』
逃げない。
前を向けば怖くない。
私は…
『ありがとう。』
この言葉を大切にして行こう。
あなたに逢えて良かった。
「ありがとう」