外に出た二人は駐車場の隅に座った
翼「…ごめんな。なんかお前が一番話やすかったから。」
慶「いいですよ」
翼「ありがとう。あの…俺ってさ…アホかな…」
慶「…。」
翼の顔を見つめたまま黙る慶太郎
翼「…。」
慶「…。」
翼「…せめてなんかいってくれへんか?涙」
慶「ああ…ごめん、つっこみ待ちか、本気で聞いてんのか、わからんくて」
翼「俺はいつでも本気や!」
慶「…本気でアホか聞いとったんや…」
翼「俺…ずっと皆同じ気持ちでおると思ってた。でも…俺だけやってんな…」
慶「…」
翼「皆、俺のことあほみたいに思っとたやろーな。一人いっつもはしゃいで…」
慶「…皆一緒やったと思いますよ」
翼「え?」
慶「バンドにたいする気持ちは皆一緒やったと思う。ただ、それぞれ目指してるゴールが違ったんですよ。」
翼「…」
慶「…皆、いつか終わる時がくるなんて考えてなかった、きっと。皆、このバンドが好きで、この楽しい時がずっと続くって…だから今ここで全員の進む先がちゃうんやって気づいて、ショックを受けているのは翼君だけじゃないですよ。皆、そうですよ」