となりのトトりん  2010-04-30投稿
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揺らぐ心は色の識別を失い、
不安にとりつかれながらも
手探りを止めないのです。

私から生まれた貴女への感情は
いつでも卑しく
どろどろしているのです。


伝えた心は平行感覚を失い、
不安定になりながらも
貴女の元へ向かうことを
止められないのです。

私から生まれた貴女への言葉は
いつまでも切なく
さらさらと貴女の指先から
摺り抜けてしまい
遺ることができないのです。


いつだって
貴女の愛に甘えていたのでしょう

いつだって
貴女の愛が続くと思っていたのでしょう

いつだって
貴女だけは味方だと信じていたのでしょう


だから
指から解けた紐を
拾い集めても
誰ともつながっていないことが
わかった今は
自分の指も切り落とすのです

必要のないものは
今の私にはもう要らないのです

不純物に塗れた過去も
それを脱ぎさる今も
指から解けた紐を探しながら
手探りを続けるのです

例え紐を見つけても
今は結ぶ指がなく

例え紐を見つけても
今は貴女を擦り抜ける

揺らぐ心は識別を無くし
伝えた心は平行感覚を失うのです

いつだって
貴女の愛に甘えていたのでしょう

いつだって
貴女の愛が続くと思っていたのでしょう

いつだって
貴女だけは味方だと信じていたのでしょう

今はもう
私と貴女の間に紐は亡く
結ぶ言葉すら言えぬまま
愛してるを
さよならに変えて

ただ落とした涙を拾い
ひたすらに泣くことしかできないのです

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