アオイ、そら。4

沖田 穂波  2010-05-02投稿
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1-4 悲しき蒼。


『良いのかよ,金持ってかれて‥。』

多哀はちらりと私を見ると,深い溜め息をついた
遮った。
奴がまず言うであろうと,
予想していたのだ。

『理由‥』

と,
無表情だった多哀の顔が初めて歪んだ。

『俺が,呪われているからさ。』

辺りが静まり返って,
それだけ聞こえた。

『呪われてる?何ソレ,ホラーじゃん。』

私は思わず吹き出してしまった。

けれど奴は,
真面目に言うんだ。

『やっぱり,
 君も同じだね。』

『‥は?』

『君にも,この呪いは解けない。』

奴は一瞬悲悲しそうな表情を見せた。
すぐに元に戻ってしまったけど。

あの多哀がこんなにも感情を露わにするなんて,
ただ事では無いと感じた私は,

『教えてよ。』

と,真顔で言った。


〇〇続く〇〇

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