1-4 悲しき蒼。
『良いのかよ,金持ってかれて‥。』
多哀はちらりと私を見ると,深い溜め息をついた
遮った。
奴がまず言うであろうと,
予想していたのだ。
『理由‥』
と,
無表情だった多哀の顔が初めて歪んだ。
『俺が,呪われているからさ。』
辺りが静まり返って,
それだけ聞こえた。
『呪われてる?何ソレ,ホラーじゃん。』
私は思わず吹き出してしまった。
けれど奴は,
真面目に言うんだ。
『やっぱり,
君も同じだね。』
『‥は?』
『君にも,この呪いは解けない。』
奴は一瞬悲悲しそうな表情を見せた。
すぐに元に戻ってしまったけど。
あの多哀がこんなにも感情を露わにするなんて,
ただ事では無いと感じた私は,
『教えてよ。』
と,真顔で言った。
〇〇続く〇〇