ホラー小説の文章の中には、たまにおかしな漢字二文字の単語が入っていることがある。
それは「呪い文字」と言い、霊が書いた文字と言われている。
その文字を見てしまった者はその小説と同じ体験をして死ぬ。
そして死んだ者は霊にとりつかれ新しい怪談をつくり、その怪談に「呪いの文字」を入れる。
「呪いの文字」はそうして犠牲者をどんどん増やしていっていた。
…ばかばかしい!何が「呪いの文字」だ!しょせん怪談は怪談だ!実話なはずない!
私は自分にそう言い聞かせるように思った。
私は今、ホラー系の投稿小説を読んでいたが、その文章の中には、おかしな漢字二文字が入っていた。呪いの文字とやらだ。
これで私はこの小説の通りに死ぬ…
本当にばかばかしい!文字を見たから死ぬ?そんなわけあるはずない!
と、表面は思いつつも心のどこかは少し不安だった。
…しばらく経ち、少しさっきの「呪いの文字」が頭から離れたが、急にまた「呪いの文字」の記憶が戻ってきて、頭から離れなくなった。
その時だった。
どこかから私は視線を感じた。