まだ、気配に気付かない有馬。みーくんはそっと、有馬の肩に手をおいた。
「…みーくん?」
「うん。」
会話はそれだけで、しばらく沈黙が続く。
ただ、みーくんの存在が、有馬の肩から全身に広がる。
ようやく、有馬の口が開いた。
「ごめんみーくん。」
「…何?急に。」
有馬はまだ涙声である。
「俺…みーくんの力を…」「何?力なら大丈夫。有馬は心配しないでくれ。」
みーくんは笑っていたが、有馬は納得できなかった。「でも、さっきおかたくから聞いて…。」
「わかってる。」
みーくんは、すべてわかっていた。覚悟もできていた。自分の役割…。
「覚悟はできてる。」
「みーくん…。それ、どういうことだか知ってて言ってんのか?」
みーくんはゆっくり頷いた。
有馬の涙がますます止まらなくなる。
「死ぬかもしれねぇんだぞ?!」
「わかってるよそんなこと!」
みーくんは声を荒げた。
「わかってるよ…。死んじゃうことなんて…。」