小さな芽

ネチャネチャ  2010-05-03投稿
閲覧数[322] 良い投票[0] 悪い投票[0]

今日も腹痛で目が覚める。おなかが風船の様に膨らんで破裂するみたいな痛みが三年前に発症した。

最初は泣きながらお母さんに痛みを訴え、病院に連れてってもらったが「身体的には異常はないです。もしかしたら、精神的な問題かもしれない」と診断された。

当時、小学校に入学したばかりで慣れない新しい環境のなか、同じ時期に大好きなおばあちゃんが突然死んでしまった。様々なことが重なってストレスが身体に影響を及ぼしたのかもしれない。

最近は慣れもあるのか痛みをそこまで感じないが、痛みが去った後吐き気もするようになった。

「まだ四時か」

ぼやきながらまた眠ろうとした時、いつも以上の吐き気が襲ってきた。

「うっ」

いつもは吐くまではいかないが今回は吐いてしまった。とっさにごみ箱を引き寄せるが間に合わず床に吐いてしまった。

床には大人の手のひら以上の血が広がって絨毯に染み込んでどす黒くなっていた。

そして、僕はあるものに目が止まった。

黒く湿った絨毯の上にソフトボールぐらいの大きさの血や唾液で表面が艶々してまんまるな白い玉が落ちていた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ネチャネチャ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ