ぽちとちわわ

ちわわ  2010-05-04投稿
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思い出すのは、桜の木の下。

4月のおわりに咲いてるはずもなく、それでも見たいと探しまわった。
結局葉桜の木の下でビールで乾杯。

プルトツプも開けられない、
箸も割れない。

いままでどうやってきたのと聞いたら
「はじめから割れてるお箸つかうから」
じゃあ缶は?
「スプーンとかの後ろ使うかな」

「でなかったら、開けない」

って、
どんな生活してきてるんだよ。


夜が明ける少し前、スプリングコートを着て、小刻みに震えてたきみがまるでチワワみたいで。
抱きしめるべきか迷ってた僕に
「手をかして」
そう言ったきみは僕の手を半ば奪うようにして組み手した。

それも両手。

ぷるぷる震えながら必死にこらえてるきみを見た。


あのとき、恋におちた。



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