見て、あの絶世の美男子―…
さらさら銀色の髪
澄んだ紺の目
ちょっと高い鼻
すらりとしたスタイル
薄くてクールな口…
彼がつけた香水は、地域で完売。
彼の学校も、毎年倍率が超高い。
しかし実は、女の子たちにはかなりの冷たさであったり。(そこが良いと女の子は絶えない…)
そんなトップスターの扱いを受ける彼を、人は"青バラ"と呼ぶ。
―――――…
――…
「うひゃーっ」
やっぱ私立だけあって、めちゃくちゃ大きいきれいな校舎だ!
制服も超かわゆいし…!
これから3年間楽しみだよ!
―…篠原 さえか
今日から、待ちに待った高校生活。
実は家が大病院で、あたしは一人娘なのに継がなくちゃいけなくて。
県で1番のこの私立高校に通うことになったんだけど。
「全然うぇるかむだよーっ」
超楽しみになっちゃった!
教室に入って、当たりを見回す。
「教室も抜目ない…」
すでに何グループか、友達の輪ができていたり…
「…どうしよ」
あたし、中学校のとき勉強三昧で、友達作ってないから、友達の作り方…
…わからない。
とりあえず席に座る…。
「……」
友達か、うーん
「……」
今年も駄目かな…
「……」
うーん…
…………ダメ!
ダメよ、あたし!
ちゃんと気合い入れなくちゃ!
「ねーぇっ」
高校生活楽しみたいんでしょ、あたし!
まずは友達作んなきゃーっ!
「おーい」
そのためには、どうしよ…
うんと、えーと…
「…いい加減気づけーっ!」
「へっ?」
おっきい声がして、振り向くと茶髪の爽やかな男の子がいた。
「な、なにごと…」
「お前、名前は?」
「篠原さえか…」
「さえかお前、おもしろい」
呼び捨てぇ――…
なんか懐かしいよ。
お父さんお母さんたちには"さえ"、お手伝いさんには"お嬢"…
ゆういつあたしを呼び捨てした人は…
「あの男の子だけ…」
「は?」
つづく