少年は頭の中で光をイメージした。
今はそれどころじゃないのはわかる。
でも、唯一のヒントは『光』だけ…
(想像するんだ。光の何かを…)
そうすると、握り拳の中から光が漏れる。
しかし、少年がそれに気づく前に光は消える。
(想像しろ！俺が今、できるのは、走って逃げることと、想像すること！！)
再び、拳の中から光が漏れる。今度の光は先程とは違い、大きく温かいものだった。
後ろにいる化物が、光を嫌っているのか、手で目に光が入らないように目を覆う。
(だから、光よ！俺の武器になれ！！！)
次の瞬間、
光がまるで、そこに太陽があるかのように輝いた。
「っ！？」
そして、右手には剣が現れた。光を表した金の両刃にそれを補助する青のつば。
少年は、自分で想像して、自分で作ったというのに、目を疑った。
「この剣は…なんなんだ？」
足を止め、剣を下から順に見る。
あまりの剣の美しさに化物の存在を忘れるが、化物が少年に向かって飛んできて、思い出す。
「うわっ！」
反射的に剣を振り下ろすと、化物は声を上げずに、言葉通り消滅した。
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