白虎隊…それは会津の哀しみ―。彩は絶望の思いだった。こんなにも健気で、明るい少年達なのに、最期は戦のせいで死ぬのだ…。みんな…そして、愛していた悌次郎も―。「うぅ…っ…。」彩は気が悪くなり、胸を押さえてその場に座り込んだ。少年達が彩を取り囲む。「彩さん!大丈夫か!?」 「大丈夫…少し、気が悪くなっただけ―。」
彩に選択は二つあった。一つは、白虎隊が見た城の炎上は誤りだったと未来の予言をする。だが、こんなにも国(会津)思いで武士の道を通しているのだ。少年達は生きて一生汚名が着せられる事になるのだ。そして―、もう一つ…。ただ、時代の流れに乗るまま、彩は通り過ぎる事…。
酷い選択だった。少年達の行末がかかっている…。激しい葛藤の中、彩が選んだ選択は…続く