この排水管が京都達の逃げ道だったのだ。
「まさか鏡君が警官を殴るとは思ってなかったわ」
逃走しながら、雪野はまだ信じられないように京都に言うと
「僕も予想できなかったよ。まさか青山さんが拳銃を構えるとはね」
二人は思わず笑いながら排水管をただ走っていた。
走っている途中、何故鍛えられた警官を一撃で気絶させられたのか聞いてみると、どうやら京都は優に昔からよく稽古に付き合わされていたみたいで護身術は一通り覚えているらしい。
しかし今はそんなことよりもただ警官から………事件現場から一刻も早く出来るだけ遠くに逃げなければならなかった。
一時間といったものの警官が約束を守るとは限らない。
「(けど、鏡君があの短時間でこんなアイディアを思いつくなんて………)」
雪野は走りながらあの時の京都の判断能力にびっくりしていると
「あっ!」
京都は何かまずいことを思い出したかのように声を出す。
「どうしたの?」
「どうしよう?本当に犯罪を犯しちゃったね、僕ら。公務執行妨害じゃん」
京都が顔を真っ青にして言うと雪野はプッと噴き出して笑い「そうだね」と、笑った。
「けど、あそこの廃墟にあったあれは………」
京都は思い出したのか雪野に再度聞いてみると
「うん……あれはTVでしか見たことないけど間違いなく………」
「「薬莢だね」」