星空の向こうに 四章 前

中野 あおい  2006-08-25投稿
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四章 絆 前


楓はそれから放課後いつも一緒に帰ってくれた。
「悪いよぅ〜。」
「いいって。どうせ暇なんだし。」

鈴奈、今すっごく幸せです!
楓は私を見た。

「な、なんか付いてる?」
あわてて鏡を出そうとすると、楓が鈴奈の手をつかんだ。

「俺・・・一ヵ月後、転校・・・するんだ。」

いきなり言われたので言葉が見当たらない。
「そ、そんな・・・。」
「本当・・・なんだ。」

楓の顔には悲しさと悔しさがあった。
「じゃあ・・・もう帰ってこないの?」

やだ・・・離れたくないっ!離れたくないよ・・・。
「いつか、きっと帰ってくるから!!待ってろ!」

楓は少し顔が赤くなりながらも、大きな声で言った。
「うん・・・。」

悲しいけど・・・今は耐えるしかないんだ!!

まだ一ヶ月あるんだもん!

待とう・・・楓を。



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