――「志穂お嬢様、先生がいらっしゃいました。」
志「お通しして」
扉が開き入ってきた背の高い男性
「志穂〜久しぶりだね」
慣れた様子で彼女を抱きしめ挨拶した
志「本当にお久しぶりですわ、先生。」
「すまなかったね。しばらくレッスンできなくて」
志「仕方ないですわ。パリにいらしたんですもの。コンクールの審査員をなされたのでしょう?いかがでした?」
「今年は将来有望な若者が多くいましたよ。…そういえば、私の知り合いにピアニストがいてね、その彼が久々に素晴らしいピアニストを見つけたと言って、ずいぶん嬉しそうにしていたのだが…確か…その彼が言っていた少女がこの辺りに住んでいたと…そうだ、君と同じくらいの歳だったんじゃなかったかな?」
志「…?!その方の名前は…?」
「おや?心あたりでもあるのかな?…そうだな…よく覚えていないのだが、確か…」――
竹「光希ちゃん」
竹本が手を振る
光「お待たせしてごめんなさい」
竹「いいのよ。こちらこそごめんなさいね、突然呼び出して。」
光「いいえ。今日はお食事に誘って頂けて…ありがとうございます」
竹「素敵なお店があるのよ。じゃあ早速行きましょうか」