月光稀

ユータ  2006-08-25投稿
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ゴウゴウと上がる炎の舌が空を焦がす。力なく立ち上がった青年に男が気付いた。「まだ月の民の生き残りがいたのか」
頭に雨を防ぐ開いた笠帽子をかぶり、手には錫杖(しゃくじょう)服は少林寺の僧が身につける防具の上に簡単な甲冑をつけている。歳は23…銀髪を後で一つに止めてある。
歩み寄ってくる男に青年は殴りかかった。
眼から涙が。悔しい。憎い…感情が押さえられない。「あんたが…あんたが母さんを!」
「待て!違う!」
拳をかわしながら男は言った。軽い身のこなし、戦い慣れているのか、戦い素人の青年の拳は当たらない。「俺は敵じゃない!落ち着け!」 「村をよくも!母さんをよくも!!」
突き出した拳を錫杖で受け流し、鳩尾に突きを繰り出す。
込み上げる嘔吐感から力が抜けて膝をついた。
腹を押さえる青年の目をみると「俺は海星。おまえの村を襲ったのは奴らだ」
ゆっくり錫杖で後ろを指した。

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