有希さんとは…。
それから、食事をしたり、呑みに行ったり居心地のいい友達になった。
ある日、有希さんの知り合いの店に行く事になった。
同じ年くらいの従業員さん達のいるその店は、なかなか楽しかった。
私は、痛い失恋をしていた。
一方通行に似たその恋は、突然いなくなるという形でエンドを迎えてしまっていた。
「樹莉ちゃんは、真っ直ぐに信じすぎちゃうんだょ」
「有希さんは…好きな人に疑いを持っているの?」
「かもね…」
有希さんは…疲れていた。この人も、心の弱い人なんだなぁと思った。
私は、その店に一人で行く機会があった。
そこで私は…恋に堕ちた。
一目惚れだった。
たぶん、いや?絶対に年下。
私なんか相手にされない事は、わかっている。
でも…
何故だか、もうひとりの私が背中を押している。
そう。
一度の人生!
自分に正直でいたい。
私は、彼に会いたくて、一人で通う日々。
そして…
彼が私の隣に座った。
「最近よくお逢いしますよね」
話しかけてきたのは、彼のほうだった。
「はい。」
私は、落ち着かない気持ちでいた。
彼の飛び抜けた社交性と感性のよさにただただ……関心していた。
そこから、友達になるのは早かった。
私が恋をした事に有希さんは、心から喜んでくれた。
でも…
良いことがあると悪い事も同じくらいおきている。
彼に彼女が出来た。
居なかったのに、出来た。
私は、女として見られなかった。
それが現実。
そこから長い片想いが始まった。
私は、まつ事しかできないのか?!
いやちがう。友達でもつながっていたかった。
そして…
いつか、気持ちを伝えよう。
どれくらいの年月が経っただろう。
彼の側に居られる。
彼の色んな姿をみるとその度に惚れなおした。
ある日、あのマスターの店にいった。
「いらっしゃい」
いつもの笑顔のマスター。
落ち着く。
「モスコミュールを」
(そういえば…。最近有希さんに電話してないや…)
帰ったら、メールしよう。
有希さんは、店を辞めて違う仕事についたらしい。
そこの常連客からききたくなかった事葉を聞いてしまった。
有希さんが…
死んだ。