「何だお前は!?」
「春之の友達よ!」
俺と杉宮は不良達と距離を取りつつ牽制していた。
「そのお友達が何の用だ!あぁ!?」
「あんた達を助けに来てやったのよ!」
えぇ!?あいつらかよ!俺は!?
「はぁ?何言ってんだお前?寺田のが危ない状況だっただろ!」
「馬鹿ね。大馬鹿だわ!あんた達あのまま春之に襲い掛かってたら倒されてたわよ・・・・・・」
呆れたように杉宮は言い放ち、そんな態度にムカついたのか不良達が再び襲い掛かって来た。
だが――
「ぐはっ!?」
――不良の一人が蹴り飛ばされた。
俺は思わず振り返ると、そこには我が親友である里村がいた。
「大丈夫ですか!?」
「・・・・・・無事だな」
そしてその後ろには清水さんと杉宮妹がおり、そして最後に現れたのは――
「貴方達!何後輩をいじめてるの!」
「――上原先輩!?」
「あぁ、君が寺田君だったのか。えっと、久しぶり・・・・・・とでも言えば良いのかな?」
上原先輩は少し困ったふうに言う。
もしかしてあの事を気にしてくれて?
「あ、はい・・・・・・」
意識してしまうとまともに喋れない・・・・・・。
「な、何で上原がここにいるんだよ!お前はもう帰ったはずじゃ!?」
「忘れ物をしてね。戻ってきたらそこの里村君が倒れていて、事情を聞くとどうもきな臭くてね。そして来てみると案の定って事さ」
「クソ!お前ら、逃げるぞ!」
すると不良達はトンズラこいて行ってしまった。
「後の事は任せてくれ。私があいつらに天罰を食らわせてやるから」
「は、はぁ」
俺は少し動揺しつつ周りを見渡した。
「でも良かった。姐さんとついでに寺田が無事で」
共に馬鹿をして笑い合う親友。
「本当に良かったです。先輩にもしもの事があったらもう私・・・・・・」
気の弱い可愛い後輩。
「そうだ、寺田君。君生徒会に入らないか?君なら会長も夢じゃないぞ」
頼れる先輩。
「・・・・・・良かった」
無口っぽいけどいつも心配はしてくれる幼なじみ妹。
「まあ私は殆ど心配なんてしてないけど、無事で良かったわね」
そして、たまに口が悪いけど、いつも俺の事を支えてくれている幼なじみ姉。
俺の周りにはこんなにも素晴らしい人達がいたのか・・・・・・俺は全く独りじゃないんだな・・・・・・。
彼女とか、今はどうでもいい。
今はただ、この仲間達を、この一時を、大切にしていきたい――
――いつか、俺の春が訪れるまで。