私の頭の中の友達(2)

刹那  2010-05-17投稿
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午後4時、ほぼ5時間たった頃にユウヤからの“電話”が来た

初めは気付かなかったけど、前触れとして頭の中に電子音のようなものが聞こえるらしい

私は自分の意志で(具体的に説明は出来ないけど)“電話”にでた

『やぁ、お待たせ』

「大丈夫だよ、どうせ暇だし」

『ちょっと気になっなんだけど』

とユウヤは言った

『今日は日曜日で学校も休みのはずだ、普通なら友達と遊んでもいいんじゃないのかい?』

なかなか鋭い所を突いてきた

「なんていうか…」

と、私は言いにくそうに言った

「私って友達と言える友達がいないのよ、きっと私がほとんど学校で誰かと話したことがないのが原因だと思うけど…」

ユウヤは心底驚いたように

『君と話してると、そうは見えないけどな』

「わからないけど、ユウヤと話すときはなんの躊躇いもなく話せるの」

『じゃあ僕達は気が合うかも知れないね』

嬉しそうにユウヤは言った

『そういえば、君にはこの“電話”使い方をまだ教えてなかったね』

そういえばそうだった

『基本的にこの“電話”の機能は、通話とリダイヤルのみなんだ』

もちろん通話料はかからないとユウヤは言った

『そして君はまだ自分の番号を知らないね?』

「知らないけど…じゃあなんでユウヤは私の番号が分かったの?」

『そんなの簡単さ』

ユウヤは言った

『適当な番号でかけてみたら、君に当たったっていうわけ』

なんと適当な…

『大変だったよ、20回くらいかけ直してようやく君に繋がったんだ』

ちょっと嬉しい気もする
「じゃあ、ユウヤはどうして“電話”を使えるようになったの?」

『言ったろ?僕もミズキと同じなんだ、僕もケータイが欲しくてしょうがなかったんだよ』

今はもう必要ないけどね。とユウヤは笑って言った

「じゃあユウヤにも電話が?」

『ああ、来たよ。大人の女性だった。最初はかなりビックリしたさ』

「そうだよね〜、頭の中に声が聞こえるなんて、ビックリしないわけがないよ」

ま、それはさておき…とユウヤは言った

『君にも僕の番号を教えておくよ、何かあったらそれにかけてくれれば良い』

そして、ユウヤは私に番号を教えた

「じゃあ今日はこれで」
『また明日』

そして、二人は通話を止めた

「また明日…」

そう呟きながら、私は眠りについた


〜続く〜

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