『君は強いね』
あなたにそう言われる度にまた自分を作った
沢山我慢をして来た
一人になっても決して涙は流さなかった
一粒涙を流してしまえばきっと次々に溢れ出して止まらなくなる
私の方が絶対辛い
そんな事は当たり前だから極力被害妄想は避けた
何の為に強がるのか
それはあなたの為
嫌われないように
迷惑はかけないように
あなたが笑っていられるように
そうする事で私は幸せを感じるから
結局は自分の為
いつからだろう
私は本当に強くなった
あなたの為ならどんなに辛くても耐えられるようになった
次に会える日がどんなに遠い日であっても
約束さえあればそれだけで生きていけた
この我慢がいつまで続くのか
悲しみが幸せよりも勝って自分が壊れてしまう日が来るかもしれない
最近限界を感じてしまうときもある
作られた自分に
『またね』
相変わらず淋しさも見せずに笑って手を振るあなたを見て不意に悔しさが溢れるときがある
いっそ思い切り泣いてすがってみたくなるときがある
だけどそれも出来ずに笑顔を壊さないように頑張る自分がいる
元々は好きになってはいけなかった
お互いがそれを知っていた
その上で選んだ道
覚悟はしていたしいつかは終わると分かっている
だからこそ深くは愛せない
どんなに想い合っても
結局は虚しい愛でしかない
許されるならば
本当の私を見て欲しい
それでも私を愛して欲しい
誰だって本当は弱い
私だってそう
あなたがいなくてもって言い聞かせても
あなたに会えばこんなにも嬉しくて
背中を見送ればこんなにも淋しい
あなたがいないと駄目なのだろう
『たまには頼ってよ』とか『守ってあげる』とかあなたは言うけど
本当に私が弱さを見せてしまえばあなたはきっと困った顔をする
例えばあなたが弱い女の子が好きだとしたら
私は演じる事なんてしなかった
ありのままであなたと向き合えた
だったらこんな強さなんていらなかった