ヒロコからの言葉が出る前に口の中のありったけの唾をゴクリと飲み込んだ
『お願いします…』神に祈った
「付き合ってみようかな〜って言ってたらしいよ。」
「は?」
私は即答だった
いくらなんでも展開が早すぎだ
「ちょっと待ってヒロコ!私そこまで考えてないし。」
「何言ってるの?好きなんでしょ?好きなら付き合いなよ。せっかくいい返事なのに。」
「その後は何か言ったの?」
「それからはあんた次第じゃん。…で、どうすんの?」
「…わかんない。」
言葉が出てこなかった
嬉しくない訳じゃない
いやむしろかなり嬉しい
でも何か違う気がした
それは展開が早すぎるからだ
でもこんなに苦労しないで手が届く存在になるのだから素直に喜ぶべきだ
私の理想は『付き合う』とゆう言葉が出てくる前にもっと仲良くなりたかった
お互いのことを知った上で次のステップへ と思っていた
だから彼の『付き合ってみようかな』の返事に戸惑いを感じ 躊躇した
はっきり言って贅沢な考えだ
「好きだけどまだ付き合いたいまでの好きじゃないんだよね。ただいっぱい話がしたいってゆうかさ…。」
「純粋だね〜。でも気持ちはそれとなく伝わったわけだし、後は朋美がちゃんと行動に移さないと、何の進展もないよ。」
「うん…わかってる。」
「でもさ、熊崎くんも朋美のこと少しでも好きじゃなかったらあんな返事はしないよ。自信もっていいと思うよ。これから仲良くなったら好きな気持ちも大きくなるだろうしね!」
「そうだね、ありがとう。ほんとにありがと。」
ヒロコに嘘をついた
付き合いたいまでの好きじゃないと言ったけど
本当は彼の返事を聞いた時から心臓がバクバクいい始め
完全に恋をしていた
確かに少し前までも今まで恋をしてきた中でも一番だと思うくらい好きになり始めていた
でもそんな甘い考えでは済まされないくらいの心臓の痛みを覚えた
大恋愛の予感…
これはマズイ
次の手を考えなくては…
このままいくと自分から告白をしないといけない状況になってしまう
それでは私のプライドが許さない
授業中も上の空で
先生の言葉も
友達の言葉も
耳に入ってこない
『さぁどうしようか…』
これからの毎日が楽しくなりそうな気がしてきた