話の続きが作れない6

ひびりんの母  2010-05-19投稿
閲覧数[457] 良い投票[0] 悪い投票[0]

子供の表情に恐怖の色は少しも見られない。

こんな話をして本当に【死神太郎】が来たらどうしよう、などと不安には思わないのだろうか。
何しろ、死ぬ日にちから死に方まで決めてしまおうというのである。
こんな話を聞いたら大人だって、その日が無事に過ぎるまでは落ち着かないに違いない。

(あとでひきずってしまうかもしれないし、子供の精神衛生上、この話はやめたほうが…)


『ねえ聞いてる〜?』
「…あ〜ハイハイ、死に方ですよね、え〜っとですねえ…まあ…色々あるといえばあるんでございますがあ…」

言葉をなんとか繋ぎながら、どうやって上手にこの<お話>を終わりにするか悩んでいた。
…と言いたいところだが実は、この先どんな展開にしたら面白くなるか、そんな恐ろしいことを考えていたのである!

母親失格…。


ふと思いついて、ちょうど枕元に転がっていた絵本を取り、仰向けの状態で開いて見せた。パンフのつもりである。

「死に方に関してでございますが、当社では3つのプランを用意してございます」
『ハイ』
「え〜まずAプラン。主にご病気で亡くなるプランでございます」
『それ痛いの?』
「ええまあ、状況によって様々でございますが、全く痛くないということはございませんねえ…あ!でも!このプランのメリットはですね、前もってお亡くなりになる時期が分かりますので、やり残したことをやったりとか〜遺されるご家族のために色々と準備したりとか〜」
『じゃあ嫌だ』
「…あ、そうですか…それではBプラン。こちらは…そうですねえ、主に交通事故ですね。これはある日突然です。痛みなんか感じる間もありません。キキ〜ッガシャ〜ン!ピーポーピーポーて感じで。目が覚めたらそこは病室どころかいきなりあの世です」
『それそれそれにします!』
「…Cプラン聞いてから決めません?」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ひびりんの母 」さんの小説

もっと見る

エッセイの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ