「みーくん…助けて?」
おかたくはかなり泣いていた。
「また…虐待されたのか?」
有馬は心配そうに尋ねた。「うん。もう耐えられない。」
「そんな…。」
有馬も、幼なじみの困っている姿は、ほっとく事は出来なかった。
「僕も、みーくんと同じ闇の部分があるね。しかも同じ家族の分野で。」
「そうだね…一緒だね…」互いが互いの傷を舐め合うようだった。
それを見て有馬は、
「俺が守ってやる。」
有馬の決心が強い…と初めて思えた一言。
「俺んち来い。狭いけど、その方が2人とも安心だろ。」
おかたくとみーくんは不安そうだ。
「でも…」
きっと、迷惑だから…とか言って、俺んち来ない展開になりそうだな…。
そう思った有馬は、
「俺…2人がいないと寂しい?」
寂しさでなんとか2人を家に来させることに成功。
だが、試練はまだ、続くのだった。
「ごめん。遅くなって。」有馬が言うと、有馬の母親が出てきた。2人は頭を下げた。
「泊まらせてもいいかな?」
(えっ…泊まる…?)
2人は顔を見合わせた。
「どうぞ。ぜひこのバカ有馬に勉強教えてくださいな。」
「あ…はぁ…。」
返答不能。
「うるせぇくそババァ?」有馬は2階の部屋へと案内した。
「まぁ、適当にくつろいで。」
「……。」
精神的に参っているのか、2人からの返答はなかった。
「俺…ちょっと風呂入ってくる。」
おかたくとみーくんは下を向いたまま。有馬は後ろめたい気持ちで風呂へと向かった。
(俺…こんな時、どうしたらいいんだろう。)
有馬は考えていた。友達を守らないといけない。でも…どうやって…。
「大丈夫?この有馬さまがついてるぜ!…違うなあ?」
「俺がいればもう安心!…なんか古くさ?」
「俺は2人の味方だから。あっ、これならイケる?」有馬は有馬なりに考えた。人より何倍も友達想いな有馬。いい人だ。