「…」
あ…れ?
その時、体がふわりと浮いて誰かに抱え込まれたのか…
私は保健室のベッドの上に…瞬間移動。
朝の出来事がフラッシュバックの様に蘇る。
私は目をゆっくりと開ける。
祐…ちゃん?
「あ……??
す…すみませ…んでした。…ありがとうございます」
祐ちゃんじゃなかった。
私はぐったりとした体を起こして、目の前の人に慌ててお礼を言った。
「いいえ。大丈夫かよ?具合い…超悪そうだけど?」
私を見下ろすように見つめる視線。
背が高くて、目はスッとした一重。
見るからに大人びている。
一年じゃない。
「だ…大丈夫です。ありがとうございます」
私はどうしていいか分からず、不安げに彼を見つめる。
「いいよ…ってか、お前キレイになったな。」
私の事を知ってるのか彼はそう言った。
「雨音だろ?」
「…はぃ。一年の雨音美帆です。けど
何で…何で…
私の事知ってるんですか?」
私はボーっと彼を見つめた。
「別にいいじゃん…ってかこんな時にあれだけどさ。。
お前彼氏いんの?」
「え…??いないですけど…」
「けど…何?
いねーんだったらさ、今日からお前…俺の彼女な。
これ、俺の携帯番号。じゃあな。」
彼は紙に電話番号をサラっと書き留め、私に手渡した。