七日七晩の慟哭11

伯修佳  2006-08-26投稿
閲覧数[360] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「何だか、俺は菜那の罰ゲームを受ける為に禁煙宣言してるみたいだよな」
「そう?意志の問題じゃない。約束は約束、守ってもらいますからね。嫌なら一日も早く禁煙すればいいのに」
「罰ゲームが悪い。そもそも辛いから罰ゲームだろ。菜那と遊びに行くなんて、辛くも何ともないじゃないか」
禁煙宣言は実は高田が出しているわけではない。いつも菜那が強引に決めて、必ず罰ゲームと称しては彼を街中に引っ張り出しているのだ。
多少意地悪な気持ちで菜那はからかった。
「罰ゲームだよ?休みなのに彼女と会う事も出来ないで、女子高生のお供しなきゃならないんだから。周囲に犯罪!とか思われながら」
菜那の記憶にある限り、高田に恋人がいなかった期間はこの七年間一日とてない。しかもどう巧く立ち回っているのか、複数の相手がいるらしいのだ。
「そういやこないだも、ここで高田さん待ってたら外国人の女の人が探しに来てたよ。携帯が繋がらないって怒ってた」
絶句した友人を面白がって尚も言い募る。
「北欧の人って感じだったけど、すごい美人だったな〜。どこで見つけてくるの?」
言って彼女はその面を覗き込んだ。うろたえる事を期待して。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 伯修佳 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ