帰宅後、森野から連絡が入った。
内容は、能力の訓練を今度行うということだった。
この能力の訓練について、何をするのかは書かれてはいなかったが多分、大したことはしないのだろうと勝手に決めつけていた。
・・・そういえば、この能力、使い方は無限大だ。人を操ることも出来るな。
もっとよく考えて使えば、面白い人生だった。などと考えている間に一日は終わった。
森野から言われていた訓練とやらの日が来た。
俺は待ち合わせの場所で待った。
しばらくすると、車が来た。その中に森野はいなかったが、どうやらそれに乗ればいいらしい。
乗り込んだ後、その車は目的地に向かった。
恐らく、以前行ったあの施設だろう。
しかし車は全く人のいない工場で止まった。
不思議に思った俺は尋ねた。
「いったい、どういうこと?」
車の中にいた男は突然、拳銃を取り出し、俺の頭に突き付け言った。
「お前のような能力者が、警察庁にわたると、我々の組織は困るからな。死んでもらう。」
「ふざけたこと言うな。」
「五月蝿い黙れ。殺すからな。」
・・・どちらにせよ死ぬなら、悪あがきした方がいい。そう決めた俺は左手を男の頭にのせた。
「おい、妙な真似するな。」
・・・全身麻痺。
男は身体が動かなくなった。
そして、俺は男から拳銃を奪い、頭に突き付けた。
・・・突然、車の中に声が響いた。
「レイ君、合格よ。その男を動けるようにして。私達のところに送ってくれるから。」
その声は森野だったが、俺はしばらく理解できなかった。